ラグジュアリーカードは、2008年に米国で創業したカードブランドです。日本での発行開始は2016年で、2026年11月に10周年を迎えます。Mastercardの最上位「ワールドエリート」を、日本で初めて採用した金属製のクレジットカードだと、公式サイトは説明しています。カードの発行は、株式会社アプラス(SBI新生銀行グループ)を通じて行われます。

この記事で取り上げるのは、そのうち、ブラックカードにあたるマスターカード・ブラックカード(以下、ブラックカード)です。注目すべき点は、年会費です。現在の年会費は110,000円(税込)ですが、公式サイトは、2027年1月以降に、これを150,000円(税込)へ改定すると告知しています。両方の金額で、年会費に見合うかを整理します。

年会費

現在は本会員 110,000円(税込)。2027年1月1日以降のお申し込みからは150,000円(税込)です。

還元率

キャッシュバック還元率は1.25%です。マイルは100円あたり0.75マイル相当で、移行の上限はありません。

空港

プライオリティ・パスを無料で使えます。回数制限はなく、家族会員も無料です。

窓口

コンシェルジュを、電話、メール、LINEで、24時間365日利用できます。

先に知っておきたい注意点

年会費が高いカードほど、条件を先に知っておく必要があります。最初に確認します。

以下は2026年10月30日時点の、ラグジュアリーカード公式サイトの表記に基づきます。特典やサービスは予告なく中止、変更される場合があります。最終的な条件は、申込時に表示される規約が基準です。

年会費は2027年1月以降に上がる

公式サイトの「年会費改定のお知らせ」(2026年10月5日付)によると、ブラックカードの年会費は、次のとおり変わります。

区分 改定前(税込) 改定後(税込)
本会員 110,000円 150,000円
家族会員 27,500円 37,500円

新規入会は、2027年1月1日以降のお申し込みから、新しい年会費が適用されます。すでにカードを持っている会員は、2027年2月以降の年会費の請求分から、順次、新しい年会費になります。つまり、2026年中に申し込めば、入会時の年会費は110,000円ですが、翌年以降の更新では、150,000円が請求される可能性が高いと考えるのが現実的です。この記事では、両方の金額で計算します。

還元の「高さ」は、利用額が前提

還元率は1.25%と、公式サイトは案内しています。ただし、ポイントで年会費を取り戻すには、相応の利用額が必要です。後の節で、計算を示します。

家族会員の初年度無料は、家族会員のみ

公式ページのスペック欄には、家族会員のみ、初年度が無料と書かれています。本会員の年会費は、初年度から必要です。

特典の詳細は、入会後にしか確認できないものがある

公式ページには、サービスの内容は概要を説明したもので、利用には諸条件があり、詳細は入会後に、Luxury Card Onlineで確認するよう書かれています。優待の対象店舗や回数は、入会後に変わっている可能性もあります。

年会費に対して、ポイントはどれだけ戻るか

ブラックカードの中心的な価値は、高い還元率です。まず、ポイントだけで年会費を取り戻せるかを、公式ページの数字で計算します。

ポイントは、200円につき2ポイントに加え、ご利用明細400円ごとに1ポイントがつきます。キャッシュバックは1ポイント=1円です。つまり、200円で2円分(1%)に、400円で1円分(0.25%)が加わり、合計1.25%になります。

年間のご利用額 獲得ポイント(1.25%) 現行の年会費110,000円との差 改定後の年会費150,000円との差
400万円 50,000 −60,000円 −100,000円
800万円 100,000 −10,000円 −50,000円
1,200万円 150,000 +40,000円 0円
1,600万円 200,000 +90,000円 +50,000円

現行の年会費110,000円を、ポイントだけで取り戻すには、年間880万円の利用が必要です(110,000円÷1.25%)。改定後の150,000円なら、年間1,200万円です。この計算は、1ポイント=1円でキャッシュバックした場合の数字です。マイルに交換する場合は、100円あたり0.75マイル相当です。

この数字から分かるのは、ブラックカードが、利用額の大きい人ほど有利なカードだということです。月に100万円を使う人なら、年間1,200万円で、ポイントだけで年会費に届きます。ポイント以外の特典は、その上に積み上がります。

公式ページの比較は「他社カード」との比較

公式ページには、年間1,200万円(月100万円)を使った場合の比較が載っています。ブラックカードの年間合計付与ポイントは169,500ポイントで、他社カードは122,400ポイントとされています。この比較には、モバイルSuicaと公共料金の利用額が前提として含まれています。公式の比較は、2026年6月時点の情報をもとにした一例で、年会費が同等のカード会社との比較だと、注記されています。自分の利用額と支払い先で、計算し直してください。

ブラックカードのつくりと、ブランドの背景

ラグジュアリーカードの最大の特徴は、金属製であることです。ブラックカードは、表面がステンレス、裏面がカーボン素材で、プラスチックを使っていないと書かれています。マットブラックの外観と、耐久性、重厚感が特徴です。Mastercardの最上位ロゴ「ワールドエリート」が刻印され、一般的なものより一回り小さい小型ICチップが使われています。カード番号や名前は裏面に印字されています。

ブランドは、2008年に米国で創業し、日本での発行は2016年に始まりました。10年間、年会費を据え置いたまま、優待・サービスを広げてきたと、公式サイトは説明しています。その上で、2027年に年会費を改定する理由として、商品・サービス、ブランド体験全体への投資を加速するためだと述べています。

同じ名前のカードは、米国にもあります。ただし、国が違えば、年会費も特典も異なります。当サイトの米国版の記事とは別のカードとして読んでください。

旅の特典

旅行向けの特典は、ブラックカードの大きな柱です。

プライオリティ・パス

148の国と地域、600以上の都市、1,900か所以上の空港ラウンジを、無料で利用できます。公式ページによると、家族会員も無料で、回数制限はありません。同伴者は、1人につき35米ドルです。

国内の空港ラウンジと手荷物宅配

国内の主要空港のラウンジを、同伴者1名まで無料で利用できます。国際線のご出発・ご帰国時の手荷物は、最大3個まで無料で宅配されます。規定のサイズ内であれば、段ボール箱、スーツケース、ゴルフバッグなども対象です。

ホテルの優待

世界で5,000軒以上の対象ホテルで、会員限定価格や優先予約、ルームアップグレード、朝食無料(2名まで)、アーリーチェックイン、レイトチェックアウト、ウェルカムギフトや100米ドル相当のホテルクレジットなどが受けられます。1滞在あたりの平均で、約70,000円相当の特典になると、公式ページは案内しています。この金額は、2025年の3泊の利用実績に基づく平均で、実際の価値は、施設、客室料金、アップグレードの有無、特典の使い方によって変わります。

ステータスマッチ

東急ホテルズ、HoteLux、MSCクルーズなどの上級会員ステータスに、無料で招待されると、トップページに書かれています。

食の優待

食の優待は、ブラックカードならではの項目が並びます。

  • ラグジュアリーダイニング:全国約40店舗で、所定のコース料理が、最大6名の予約で3名分無料になります。
  • 約250店舗の優待:2名の予約で、1名分が無料になります。
  • ラグジュアリーリムジン:対象のレストランを予約すると、片道のハイヤー送迎が無料になります。
  • ラウンジアワー:高級ホテルのバーや会員制ラウンジで、ラグジュアリーカード限定のメニューが使えます。

大人数での会食や接待が多い人にとって、最大6名で3名分が無料になる優待は、年会費の考え方を変えるほど大きな特典です。たとえば、1名分のコースが2万円の店で、6名で予約すれば、6万円分が無料になる計算です。これは仮定で、実際の店とコースの価格は、予約時に確かめてください。

コンシェルジュ

ブラックカードのコンシェルジュは、LINEのチャットでも利用できます。ほかのカードにはない特徴です。電話とメールでも、24時間365日相談できます。電話は、自動音声を介さず、担当者に直接つながると説明されています。例として、レストランの検索と予約、贈り物の選択、急な出張のホテルの手配などが挙げられています。

ライフスタイルの優待

映画館では、毎月、最大2枚の「映画GIFT」が提供されます。国立美術館は、所蔵作品展と企画展を、金曜に限り、同伴者1名まで無料で鑑賞できます。サウナ、ジム、マッサージ、クリニック、ホテルスパなど、通常は高額な入会金や月会費が必要な施設を、特別な条件で使えるラグジュアリーウェルネスも用意されています。

補償

ブラックカードの補償は、次のとおりです。

  • 海外旅行傷害保険:傷害死亡・後遺障害保険金が最高1.2億円。自動付帯です。国内旅行保険も付帯します。
  • ショッピング保険:購入日から90日以内の破損・盗難などの損害を、年間最大300万円まで補償します。
  • カード不正使用被害の補償:被害額の全額または一部を補償します。

経営者や個人事業主の使い方

ブラックカードには、法人決済用のカードもあります。最大9,990万円の高額な決済が可能で、ポイントはショッピングと同じ還元率で貯まります。年会費は経費に計上できると、公式ページは説明しています。弥生会計やマネーフォワードなどと連携でき、最大53日間の支払い時期の先送りも可能です。個人カードと同じ優待・サービスが使えます。広告費など高額な経費をカードで払う事業者にとっては、ポイントで年会費を取り戻しやすい設計です。

基本情報

年会費は、現在は本会員110,000円、家族会員27,500円(いずれも税込)です。家族会員のみ、初年度は無料です。追加カードとして、ETCカードと家族カードがあります。対象年齢は20歳以上(学生不可)です。カードの発行期間は、最短5営業日と案内されています。

支払いは、5日締めで、当月27日払いです。支払い方法は、翌月1回払い、リボルビング払い、ボーナス一括払い、回数指定分割払いです。国際ブランドはMastercardです。スマートフォン決済は、Apple Pay、QUICPay、モバイルSuica、PASMO、モバイルICOCA、d払い、楽天ペイ、au PAY、Google Payに対応します。

利用スタイル別に考える

同じ年会費でも、使い方で結果が変わります。三つの場面を想像してみます。いずれも仮定です。

月に100万円近くを、カードで支払う人

年間1,200万円に届く人は、ポイントだけで、改定後の150,000円の年会費に届きます。優待が、その上に積み上がります。

出張や海外旅行が多い人

プライオリティ・パスの回数制限がなく、家族も無料です。ホテルの優待や、国際線の手荷物の無料宅配も、旅の回数が多いほど価値が高まります。

会食や接待が多い人

最大6名で3名分が無料になる優待は、使う機会が多い人ほど効きます。コンシェルジュで店の予約もできます。

入会後に最初にやっておきたいこと

特典の多くは、使い方を決めておかないと取りこぼします。先に確認しておきたい項目を整理します。

  1. Luxury Card Onlineで、優待の詳細を確認する。 公式ページは、詳細を入会後に確認するよう案内しています。
  2. プライオリティ・パスを登録する。 家族会員も、無料で登録できます。
  3. LINEコンシェルジュを使えるようにする。 24時間365日、電話やメールでも相談できます。
  4. 年会費の請求月を確認する。 カード裏面の有効期限「月/年」の「月」の翌々月が、年会費の請求月です。

ほかのブラックカードと比べるときの視点

比較の軸 ブラックカードで確認できる内容
年会費 現在110,000円。2027年1月以降の新規入会は150,000円
還元率 1.25%。マイルは100円あたり0.75マイル相当
旅行の特典 プライオリティ・パスは回数制限なし。家族会員も無料
つくり ステンレスとカーボン製の金属カード

同じ日本のカードでも、招待制のものや、ポイント特化型のものとは、設計が異なります。このサイトの他のカードと並べて、自分の暮らしに合うかを比べてください。

毎年見直したいこと

2027年に年会費が改定されるため、更新のたびに、年会費に見合う使い方が続いているかを確かめることが、いっそう大切になります。年間の利用額、ポイントの獲得額、使った特典と使わなかった特典を書き出し、年会費と比べてください。利用額が年間1,200万円に届かない場合は、ポイントだけでは年会費に届かないため、特典の価値で判断することになります。

結論:利用額の大きい人と、特典を使い切る人のための一枚

ブラックカードは、還元率1.25%、回数制限のないプライオリティ・パス、LINEでも使えるコンシェルジュ、最大6名で3名分が無料になるダイニング優待をそろえた、金属製のカードです。年会費は、現在110,000円ですが、2027年1月以降は、150,000円になります。

判断のために、次の三点を確認してください。

  1. 年間の利用額は、1,200万円に届くか。届かない場合、ポイント以外の特典で年会費を取り戻せるか。
  2. 空港ラウンジ、ホテル、ダイニングの優待を、実際に使う場面があるか。
  3. 年会費が150,000円になっても、続けたいと思えるか。

三つのうち二つ以上に「はい」と答えられるなら、年会費に見合う使い方ができるでしょう。利用額が小さく、優待も使わないなら、年会費の低い、別のカードと比べてから決めてください。

本記事の内容は2026年10月30日時点のラグジュアリーカード公式サイトの表記に基づきます。最終的な条件は、申込時に表示される規約と画面が基準です。